【コラム】親の家\大人片づけ/に役立つ「ライフメモ」誕生秘話

夫婦は他人、親子は「一番近い他人」

働き盛りの方にとっては、夏休みで帰省され、親の家片づけが気になる季節ですね。
親子というのは案外、複雑なものです。
「切っても切れない」のが親子の縁ですし、「一番近い他人」とも言えます。

今は時代の流れがはやいので、たとえば、昭和一桁の戦中派と、
バブル世代の親子が暮らしてしている場合が多くあります。
歴史でいえば、黒船来航と大正ロマンが同居しているような感じでしょうか。

人が経験したことのない超高齢化社会の中、
平均寿命が延び、人生がこんなに長くなっているのですから、時代も移り変わり、
家族のひとりひとりの育った環境が多様化しています。

価値観が違って当たり前なので、身内だから、家族だから、言わなくてもなんでも分かり合えるというのは、幻想にすぎないのです。
すでにオフィスでは常識になっているように、気働きだけで解決できないことは、
現実が物語っています。
母が似合うと言って買って着た服のセンスを見て、
捨てたくても捨てられない、日本全国の娘のため息が聞こえてきそうです。

親子なので、お互いに分かり合えるというのが理想ですが、
こんなに生きている時代背景が違うと、想像できないことが多いのですから、
分かり合うというよりは、違ったまま「共存」する道を探るのも、ひとつの方法でしょう。

ライフメモで「共存」する道を探る

\大人片づけ/では、親子でコミュニケーションツールの1つに
ライフメモというのを使っています。
親子の違いをいい意味で知り、うまく「共存」していくためのツールです。

ご自分の転機となった、結婚やひっこしなどのキーワードが1つでもみつかればOK.
高齢者がひとりで書く必要もなく、子世代が聞き書きしてもいいですし、自分史よりも
身軽に取り組むことができます。
育った環境の違いを「見える化」できますね。

同時に、モノの総量も、可視化できます。
たとえば、ご高齢の方々に、家族の数をたずねると、実際に居住している人数はひとりであっても、
1年に1~2回帰省する子どもや孫の人数をあわせて7人などと
おっしゃる方がいらっしゃいます。

そんな方が、ご自分がいつから一人暮らしになったのかに気づき、
自分の大事な思い出や、家族の数、同居人数という、見えにくいものをしっかり
みえるようにするためのツールが、ライフメモです。
(詳細は【\大人片づけ/目次】をご覧ください。)

ライフメモ作成の過程で、子世代も年齢を重ね、子どもができたり、仕事で苦労するなかで、
当時の親の気持ちがわかってくることがあります。
忘れていた家族の出来事を思い出して、「あの時楽しかったね!」と、
盛り上がるかもしれませんね。

いきなり書こうといっても、難しい親子もいらっしゃるかもしれません。
少しずつ片づけの作業と並行して、聞き取っていくのがおすすめです。
片づかなくなったのは、○○がきっかけだったとか、
引っ越してたくさんものを買いこんでしまったなど、
何かしらの気づきを得ることができます。

片づけ業者には、思い出の品、重要書類の整理は頼めないので、
その後の片づけをスムーズに進めるうえでも、話を聴いて、
気が付いたことをメモしていくだけでも、判断が楽になります。

本当に大事なのは、モノを片づけることではなく、「人」。
片づけることは、目的ではないのですから。

多少喧嘩しても、平均寿命が延び、お互い長生きするので、
また片づける時間はあると思えば、気持ちは楽になります。
親子の関係UPをめざし、片づけながら、ライフメモをつくってみましょう。

ライフメモ誕生秘話?!

私事で恐縮ですが…… 私は22歳のころに父を亡くしたので、
社会人になってから、もっと仕事のことなどをいろいろ聞いておけばよかったと、
後悔しました。

また、明治生まれの祖母と同居していたのですが、
大事に仏壇に飾ってあった、古びた看護婦さんの人形がありました。
祖母は、四国の日赤病院で婦長さんだったと聞いていたので、その関係だろうと、
小さいころから気にも留めずにいました。

祖母が亡くなってから知ったのですが、その人形は、
看護婦として貢献した人ということでもらえた、
「ナイチンゲール賞」という名誉のあるものだったそうです。
戦争中のもののようです。

私たちの世代は、戦争はすでに歴史の教科書の中のことです。
今思うと、祖母が、婦長として戦争中にどんな仕事をしていたのかなど、
きちんと聞いておけば、教科書には書かれていない、
歴史や戦争を知るきっかけをつかめたかもしれないと、悔やみました。

……そんなこんなで、私の場合は、
「きちんと家族から聞けるときに話を聴いておけばよかった」と思ったことも、
ライフメモ誕生のきっかけとなったのです。

ライフメモは、家族の数や家の広さ、ライフステージに気が付くツールですが、
いろいろな広がりや効用があります。

高齢の親自身が書かなくても、子世代の聞き書きでも十分です。
親が元気なうちに、1つでも2つでも、思い出話など、聞き出せれば、
片づけるときに、思い出の品の優先順位がつくきっかけになります。
ほんの少しでも聞きだせるということは、ラッキーととらえてはどうでしょうか。

親の話を聴いて子世代が思い出すこともあるでしょう。
手帳にメモするだけでも、よしとして、聞き取ることを意識することから、
親の家\大人片づけ/を始めてもいいですね。

多くの方が、\大人片づけ上手/になりますように。

片づけ上手塾 エグゼカレッジ表参道校 代表理事 渡部亜矢

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